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畳の布擦れの音

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 畳の布擦れの音とともに、持ち上げられた袷の裾は、沖田が補足したとおりに、冬乃の腰上辺りに乗るようにして支えられて、

 そして、再び両の襟は、冬乃の胸の前で閉じられた。

 閉じるとともに、

 右襟を掴む沖田の右の手は、左襟の下に自然と潜って。

 

 沖田が、冬乃の胸に当たらない 生髮藥 ように気遣うような緩慢さで、その右手を抜いた。

 「ここを持って」

 右手を抜いたぶん、左手でまとめて両襟を掴みながら沖田が促す、

 その声は。

 冬乃のすぐ真後ろから、耳元におちて。

 

 互いの体が当たらない距離で大きく包まれているとはいえ、後ろから抱き込まれているような体勢には、かわりなく。

 先程から冬乃の鼓動は、もはや激しく鳴り響いたまま。

 (……聞こえちゃいそう)

 

 冬乃はなんとか平静を装い。指示通りに、沖田の手に替わって胸の前の両襟を掴もうと、手を持ってゆき。

 だが、動かした手は、沖田の手へ触れてしまい。

 飛び跳ねた鼓動を聞き流し、なんとか沖田の手に替わって襟を握り込んだ冬乃の、背からは、沖田が離れてゆく。

 

 「その襟、そのまま持っていて」

 冬乃の背から離れてゆく声が、振り返れない冬乃に届いた。

 

 

 熱が離れて、少しばかり息をついた冬乃の、鼓動は

 だが、すぐ次の瞬間にはまた跳ね上がってしまった。 沖田が再び、冬乃を抱き込むように背後から、ひもを回してきたからだ。

 

 (っ・・)

 冬乃が手に押さえている襟の、その少し下を支えるようにして回されたひもが、冬乃の前で結ばれてゆくのを見ろしながら、冬乃は息を殺していた。

 

 「手、もう離して大丈夫」

 長くて短いひとときのち、沖田の声が耳元へ。

 「襟を平らに整えておいて。俺は帯を用意しとくから」

 

 (帯・・)

 そっと後ろを振り返れば、

 今日買った古着のある風呂敷へと、沖田が向かってゆくのが見えた。

 この朱鷺色の袷に合わせて選んだ、黒地に金の刺繍の帯が、風呂敷から覗いている。

 

 冬乃は前へ向き直ると、胸前で大きくもたついている襟元を平らにするべく、奮闘を開始した。

 (着物ってたしか腰まわりが二重になっているから、・・ここを折ればいいのかな?)

 

 

 「いいんじゃない」

 なんとなくそれらしく折り込んだ辺りで、沖田が声をかけてきた。

 その言葉にほっとした冬乃の後ろで、

 「背は、少し直すよ」

 言うなり沖田の手が冬乃の背にふれて、冬乃の身が着物ごと柔く後ろへ引かれて。どうやら背にできていた布のしわを直してくれているようだった。冬乃は踏みとどまるべく体を前へと倒し直す。 終わると続いて、朱色の太いひもが差し出された。古着屋の店の者が、これも必要だと足してくれた物だ。

 

 「これで胸の下を留めるはず」

 沖田の声に頷いて、留め終えるとすぐ、

 「袖、持ち上げて。あと、髪も」

 と指示が続く。冬乃が袖の振りと髪の先を持って腕を上げると、

 後ろから脇下を通って、帯が冬乃の胸下へと当てられた。

 

 「複雑な結び方は、分からないから適当でいい」

 真後ろからの、そんな沖田の確認に、

 「はい、勿論です・・っ」

 冬乃は慌てて頷いてみせる。

 冬乃の胸下に帯は当てられたままに、その両端が、後ろへと回された。

 

 後ろで帯を折っているような動きの後、帯の一端が再び前へと返ってきて、そのままそれは、ぐるりと後ろへ戻った後に、

 当然されるがままに袖を上げている冬乃の、後ろでぎゅっと一度強く縛られて、

 その後も二、三度、冬乃は後ろの沖田のほうへと、そのつど引っ張られそうになりながら、帯が締めあげられてゆくさまに息を呑んで、

 

 やがて沖田が満足そうな声で、

 「とりあえず蝶結びにしておいたよ」

 と言うのへ。

 冬乃はおずおずと沖田へ向き直り、ぺこりと頭を下げた。

 

 「本当に、有難うございました」

 深々と、いきたいところ、胸下の帯が邪魔してそこまで頭を下げれなかったものの。

 

 これは確かに、 自力で着つけるのは、確実に無理だっただろうと。

 

 

 

 向き直った冬乃を見て、沖田が穏やかに微笑んだ。

 「似合ってる」

 

 (嬉し)

 冬乃はつられて微笑んだ。

 未だかなり。胸の鼓動は早いままだったけども。

 

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