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「でも……少しずつ

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「でも……少しずつ、変わってきてるような……気もする」

 

 

甲斐と付き合い始めてから、結婚の話になったことは一度もない。

同棲さえ、まだ遥希のことがトラウマになっていて、提案する気になれていないのが本音だ。

 

 

口には出していないけれど、期指 きっと甲斐は私の本音をわかっていて、その上で私の気持ちを尊重してくれているのだと思う。

 

 

でも甲斐は優しい人だから、本当は自分の気持ちを押し殺しているのかもしれない。

 

 

「でも付き合い始めて一年も経ってないしね。六年付き合った男と結婚を考えられなかったのに、次の男とは結婚したいなんてそんな簡単に気持ちが変わるわけないか」

 

 

……そうだよね」

 

 

月日が経つにつれ、いつかこの壁にぶつかることはわかっていた。

けれど、そんな簡単に自分の価値観を変えられないこともわかっている。

 

 

ただ、私はこの先もずっと甲斐のそばにいたい。

そのためには、どうすればいいのか。

それをゆっくり考えていく時間が必要なのだと思う。

 

 

「そういえば話変わるけどさ、医療事務の小悪魔女子いるじゃん?小泉沙羅だっけ」

 

 

「あぁ、うん。あの可愛い子がどうかしたの?」

 

 

蘭から彼女の名前を聞いた瞬間、イブの日に廊下ですれ違い少しだけ会話をしたことを思い出した。「あの子最近彼氏と別れたらしくてさ」

 

 

「そうなの?」

 

 

「で、その別れた理由が他に好きな人が出来たからなんだって」

 

 

「へぇ、そうなんだ」

 

 

小泉さんに彼氏がいたことさえ知らない私は、目の前に置かれたフレンチの前菜に夢中になっていた。

 

 

自分が噂話で嫌な思いをしてきたから、人の噂話をするのはあまり好きではない。

適当に聞き流そうと思いながら前菜を口に運んでいたけれど、次の蘭の発言を聞いて動きが止まった。

 

 

「で、その好きな人っていうのが、どうやら甲斐らしいのよ」

 

 

……何で?」

 

 

「さぁ。ほら、甲斐って顔広いでしょ。あの子とも前から接点があったんじゃない?」

 

 

……そう、なんだ……

 

 

さすがに聞き流せない話になってしまった。

うまく食事が喉を通らない。

 

 

「私も本人から聞いたわけじゃなくて、うちの後輩から聞いたんだけどさ。あの子、かなり肉食系で狙った獲物は逃がさないらしいから気を付けた方がいいよ」

 

 

「気を付けるって……どう気を付ければいいの?」

 

 

「私の彼氏に近付かないで!とか、宣言しておけば?」

 

 

「そんなこと出来るわけないでしょ……

 

 

蘭は心配して教えてくれたのだろうけど、どこか楽しんでいる様子が伝わってくる。「人気者の彼氏を持つと大変ね」

 

 

……そこまで人気なくてもいいんだけどな」

 

 

人望があるのはもちろん良いことだと思う。

それに、甲斐のことを信じていないわけではない。

もし彼女が甲斐に告白したとしても、甲斐には私がいる。

甲斐が私を裏切るとは思えない。

 

 

だとしても、だ。

いちいち不安になってしまう私は、心が狭いのだろうか。

 

 

「まぁ、甲斐はあんたの元彼みたいに浮気はしないと思うけど。依織一筋だしね」

 

 

ただの噂話であってほしい。

そう願わずにはいられなかった。

 

 

「噂って……本当にどこまでも広まってくよね」

 

 

「特にうちは女の職場だからね。ほぼ毎日誰かの噂を耳にするから」

 

 

そこで同じテーブルに座っている他の友人に話しかけられ、小泉さんの話は中断された。

 

 

せっかく結婚式に来ているのだから気持ちを切り替えようと思い、そこからは新郎新婦を祝うことに意識を集中させた。

 

 

二次会まで出席し、三次会には行かず皆と別れ一人になったところでスマホをバッグから取り出す。

 

 

私は無意識に、履歴から甲斐の電話番号を表示させ呼び出していた。

三度のコール音が鳴ったところで、甲斐の声が耳に届いた。「もう帰り?思ってたより早かったな」

 

 

「二次会終わって帰ってきちゃった。蘭は三次会にも顔出すって言ってたけど」

 

 

当初の予定では私も三次会まで出席するつもりだったけれど、どことなく気持ちが乗らず帰ってきてしまった。

 

 

楽しくなかったわけではない。

幸せオーラ全開の新郎新婦を見て、私の胸も幸福感でいっぱいになった。

 

 

その一方で、そんな自分をどこか冷めた目で見ている自分がいるような気もしていた。

 

 

「甲斐は今何してるの?」

 

 

「今は部屋でビール飲みながらテレビ見てた。七瀬はだいぶ酔ってるだろ」

 

 

「え、ウソ、どうしてわかるの?」

 

 

確かに今、私は酔っている。

蘭や周りの友人たちの飲むペースに合わせていたら、気付いたときにはいつも飲むお酒の量を軽く超えてしまっていた。

 

 

顔もだいぶ火照っているけれど、ちゃんと意識はあるから大丈夫だ。

 

 

「声のトーンですぐわかる。酔ってるときの声してるから」

 

 

「甲斐はさすがだね。本当に……何でも見破っちゃうんだから」

 

 

甲斐に嘘をついたら、きっと速攻で見抜かれてしまうだろう。

 

 

「で、結婚式どうだった?」

 

 

「凄くいい式だったよ。沢山写真撮ったから、今度見せるね」

 

 

……結婚式で、変な男に声かけられたりしなかった?」「別に誰にも声かけられなかったけど……

 

 

「そっか。ならいい」

 

 

今甲斐がどんな顔をしているのかは見えないけれど、きっと安堵の表情を浮かべているはずだ。

 

 

「私がナンパされるわけないのに」

 

 

「いや、何でだよ。七瀬は美人なんだから、もっと警戒してほしいんだけど」

 

 

……

 

 

大真面目に言われると、さすがに恥ずかしくなってしまう。

 

 

「とにかく、俺以外の男には隙を見せないようにして」

 

 

……はい」

 

 

気軽な気持ちで電話をかけるんじゃなかった。

時折見せる甲斐の独占欲が、私の胸を強く打つ。

 

 

いつもならここで引き下がる私だけれど、この日はお酒で酔っているからか、普段なら言うのも躊躇うような言葉を口にしてしまった。

 

 

「で、でもそれを言うなら、甲斐もそうじゃない?」

 

 

「何が?」

 

 

「今日、蘭に聞いたの。甲斐が最近、医療事務の小泉さんと親しくしてるって」

 

 

お酒の力を借りなければ、きっと私には彼女の件について問い詰めることなんて出来なかっただろう。

 

 

「いや、別に俺はそんなに親しくしてるつもりないけど。あの子、誰とでも仲良くなれるタイプだから」

 

 

「本当に?」

 

 

「嘘つくわけないだろ」

 

 

甲斐は本当に、彼女のことを何とも思っていないのだろう。

でも、蘭から噂の内容を聞いてしまった私の胸の内は晴れない。

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