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屋敷の手伝いや

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  屋敷の手伝いや地元の議員事務所の人たちだろうが。

 

 普段はこっちにいないので、よく見る家政婦さんたち以外、唯由にもよくわからない。

 

「雪村蓮太郎と申します」

 

「あんた、鄭志剛 唯由さんの結婚相手かね」

 

……会社の友人で。

 おぎしましょう」

 

 しばらくすると、蓮太郎はまた別のおじさんにビールを注がれていた。

 

「雪村蓮太郎と申します」

 

「あんた、唯由さんの結婚相手かね」

 

「会社の友人です。

 お注ぎしましょう」

 

 昼食の間、その会話は繰り返されたので。

 

 最初は本意に反する『会社の友人』という言葉を嫌そうに言っていた蓮太郎だったが、そのうち、機械的に言うようになっていた。

 

「唯由さんの会社の友人の雪村蓮太郎です。

 よろしくお願いいたします。

 

 お注ぎいたしましょう」

 

 どんどんスムーズになってきたな。

 

 ここに来た本来の目的を見失っているようだが……と思いながら、唯由はヒレカツを口にする。 揚げたてアツアツのヒレカツに祖母特製の甘辛ダレ。

 

 最高だ。

 

 だが、張り切って買い出ししてきた、という祖母の料理は、

 

 ヒレカツ

 ロースカツ

 豚汁

 酢豚

 豚まん

 

 豚大虐殺だった。

 

 豚になにが起こった……と思ってしまったが、単になにかの付き合いで買ってきただけのようだった。

 

 そういうことは、この家ではよくある。

 

「唯由さんの会社の友人の雪村蓮太郎です。

 よろしくお願いいたします。

 

 お注ぎいたしましょう」

 

 蓮太郎の挨拶が遠く離れた位置から聞こえてくる。

 

 移動しながら注いで歩いているようだった。 人付き合いとか得意でなさそうなのにな、と思ったが。

 

 苦手だからこそ、早く終わらせようとベルトコンベア式に回っているのかもしれないと思った。

 

 ハウスから事務所に移動して仕事をしていたらしい祖父がスーツ姿で戻ってきた。

 

「蓮太郎くん、食べているかね」

 

 いや、忙しくて食べられないみたいですよ……

 

「遠慮せずやりなさい。

 みんな、唯由とお付き合いしている雪村蓮太郎くんだ」

 

 いろんな意味でですが……

 

「雪村真伸さんのひ孫だそうだ。

 よろしく頼む」

 

 なにをよろしく頼まれたんだ、と青ざめながらも、後ろからなにかに撃たれたくない蓮太郎はビール瓶を手にしたまま、

 

「よろしくお願いいたします」

と頭を下げていた。

 

 

「俺はなにをよろしくされているんだろうな」

 

「自らよろしく頼んでましたよ」

 

 食事のあと、そんな会話をしながら、またうさぎを眺めていた。

 

 二人とも、何処か隅の方にしゃがみ込みたい気分だったからだ。

 

 なにをしに来たのか、よくわからない……と落ち込む二人を梢が母家の方から呼んだ。

 

「唯由~、ちょっと来なさい。

 蓮太郎くんもー」

 

 

「ちょっと季節的に早いけど。

 せっかく来たんだし、着てみなさいよ」

 

 母家に唯由たちを呼んだ梢は、唯由におばさんの、蓮太郎におじさんの浴衣を着せてくれた。

 

 唯由が着たのは白地にあやめ柄のレトロな浴衣だった。

 

 古代紫の帯の色がきいていて、水色のトンボ玉の帯留めも可愛い。

 

 蓮太郎の方はモダンなストライプ柄の茶系の浴衣で体格がいいのでよく似合っていた。

 

 着慣れている感じもある。

 

 蓮太郎は唯由を見て、目を細めて言った。

 

「さっきまで、俺はここになにしに来たんだろうなと目的を見失っていたんだが」

 

 いや、そもそも、あなたに目的なんてありませんでしたよ。

 

 ただただ、ひいおじいさまや大王親子に操られてやってきただけですよ……

と思う唯由に蓮太郎は言う。「俺はこれを見に来たんだな。

 よく似合ってるぞ、蓮形寺」

 

 その言葉に梢と雅代は笑い、唯由は赤くなった。

 

 だから、照れもせずにそういうことを言ってくるのはやめてください。

 

 まあ、あなたの場合、アメーバに、

「動きが可愛いぞ~」

と言っているのと変わりないんでしょうけど……と思いながらも。

 

 

 そのまま二人で暇なので、屋敷の中をウロウロしていた。

 

 蓮太郎が廊下の隅にある台の上に、小さなゴミ箱やもっちりハムスターや、ミニサイズのストーブなんかが並べてあるのを発見する。

 

「あ、それ、私がおばあちゃんにあげたガチャガチャですよ」

 

 唯由が笑ってそう言うと、蓮太郎は膝に手をやり、前のめりにそれを眺めながら、

 

「いらないだろうに。

 祖母の愛だな」

と呟いていた。

 

 いや、何故いらないと決めつけますか……。 

 

 そのまま廊下を曲がって歩いていくと、羊の写真が飾ってあった。

 

 草原の中に、ぽつんと立ってこちらを見ている。

 

「可愛いな」

と言う蓮太郎とともにそれを眺めながら唯由は言った。

 

「私が初めてひとりでこの家に泊まったとき、おじいちゃんが買ってきてくれたんですよ。

 

 夜眠れなかったらいけないからって」

 

「この写真の羊を見て数えろって?

 一匹しかいないが」

 

 そう言いながらも、蓮太郎は微笑ましげな顔をして写真を眺めていたが、

 

「いえ、おじいちゃんが買ってきたのは、その写真の羊です」

と唯由は言う。

 

……羊」

 

「一匹じゃないです。

 いっぱいいます。

 

 もこもこです。

 まだ今も増えてますよ。

 

 あとで行ってみますか?」

 

 眠れなくなったら、今でもあの羊を数えに行くんです、と唯由は言った。

 

……深すぎる祖父の愛だな」

と蓮太郎が呟く。

 

 そして、笑って言った。

 

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