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それは生徒手帳だった

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 それは生徒手帳だった。

 

 しかも、俺が卒業した高校の。

 

 ぼんやりとした記憶が、幼兒教材 鮮明によみがえった瞬間だった。

 

 

 

 早坂――!

 

 

 

 手帳の写真は、間違いなく早坂。

 

 そして、名前は――。

 

「はや……さか――?」

 

 

 

 早坂……楽――?

 

 

 

 俺はハイハイを覚えたばかりの赤ん坊のように手足をバタつかせて四つん這いで奥の部屋に進んだ。無造作に置かれたものの中から、高校の卒アルを探す。それはすぐに、見つかった。

 

 埃っぽいことなど気にも留めず、ペラペラとページをめくり、三年C組の個人写真を探した。それから、女子の名前を目で追っていく。

 

 探していた名前は、すぐに見つかった。

 

 顔が小さくて、ほんのり化粧をしていて、茶色のくるくるした髪。

 

 可愛くて、学年でも人気のあった女子だ。

 

 

 

 大林楽。

 

 

 

 そうだ。

 

 彼女は大林という名字が、小柄な自分には似合わないと、呼ばれるのを嫌った。だから、大林楽は『楽』と呼ばれ、同じ名前の早坂は『早坂』と呼ばれていた。

 

 

 

 楽が、二人――?

 

 

 

 大林のことではない。

 

 近江楽と早坂楽。

 

 同じ名前でも、生徒手帳の中の楽は、俺と暮らしている楽とは別人だ。よく見れば目元が似ていると言えなくもないが、輪郭や鼻の形、唇の形も違う。肌の色も、写真の方が色白だ。

 

 

 

 だけど――。

 

 別人なら、どうして楽が早坂の生徒手帳を持っている……?

 

 仮に、早坂を知っているなら、どうして俺が早坂の話をした時に言わなかった?

 

 

 

 頭の中に、次々と疑問が湧く。 何かの間違いではないかと、もう一度生徒手帳を見た。手帳の間に挟まっていたらしいものが、ひらっと落ちた。それに、視線を落とす。

 

「これ……は――」

 

 若かりし頃の俺が、高校の制服を着た俺が写っている。隣には、早坂。

 

 第一回目のクラス委員会の時に、卒アルように撮影したもの。俺たちの隣にはそれぞれ、隣のクラスの委員が写っている。ちょうど生徒手帳に納まる大きさでカットされているから、全員ではない。

 

 訳が、分からない。

 

 近江楽と早坂楽は名前こそ同じだが、顔は別人。

 

 

 

 なにが、どうなっている……?

 

 

 

『母親が死んだからって引き取らなきゃならなくなった』

 

 不意に、萌花の言葉を思い出した。

 

 早坂も、母一人娘一人だった。

 

 

 

 母親が死んで、会ったこともない父親に引き取られたなら、名字が変わった……?

 

 

 

 たとえそうだとしても、顔が変わった説明はつかない。

 

 

 

 大人になったからって、高三からここまで変わることなんてあるか?

 

 

 

 わからない。

 

 ただ、偶然で片付けるには、不自然だ。

 

 

 

 近江楽が偽名……なはずはないよな。

 

 萌花は楽の結婚式に出席したって言っていたし。

 

 

 

 こめかみに汗が滲む。

 

 目まぐるしく色々なことを考えたが、どれもしっくりこない。

 

 どのくらいそうして考えていたのか。

 

 いつもの楽の買い物の時間を考えると、ゆうに三十分以上は座り込んで生徒手帳と写真を眺めていたと思う。

 

 階下で玄関ドアが開く音がした。

 

「ただいま」

 楽の声に、ドアが閉まる音。

 

 それから、買い物バッグの中で、発泡スチロールのトレイやビニールが擦れる音。

 

 トントントンという彼女の足音が遠ざかって行く。

 

「悠久さん?」

 

 ドサッと買い物バッグをテーブルに置く音。

 

「悠久さん?」

 

 俺はいつも、ソファかダイニングで本を読んでいる。だから、そのどちらにもいないことを、楽は不思議に思っているだろう。

 

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